インプラントの失敗例
インプラントの悪い症例
骨とインプラントが定着しない
インプラントは、歯骨としっかり結合することで初めて自然な歯のような噛み心地が得られるものです。通常は4~5ヶ月程度で強固なものになりますが、なかなか定着しない場合はいくつかの原因が考えられます。
- インプラントが埋め込まれている位置が適切ではない(骨が少ない部分など)
- 元々の骨が薄い、骨密度が低い
- ドリルで穴を開けるときの摩擦熱で骨の組織が死んでしまった
人工歯の部分が割れる・取れる
埋め込む位置が正しくても、何かしらの原因で人工の義歯部分が損傷することがあります。
- 元々の装着が緩かった
- 調整がしっかりと行われていない
- インプラント部分に余計な負担が集中してかかりすぎている
- 義歯の材質の問題
痛みや痺れが取れない
インプラントの埋入手術は小さな穴から行われる上、内視鏡等は使用しないため、もし手術により神経を圧迫・損傷したとしても気付かない場合が多いそうです。インプラント治療後は歯茎の感覚がいつもと違わないか、より念入りに確認する必要があります。
- 手術により神経を圧迫、または損傷した
- インプラント周囲炎(下項目参照)を発症し、炎症が起きている
インプラントそのものがグラグラする
インプラントを埋入した患部付近が細菌感染すると、炎症が起こり骨吸収のスピードが加速します。インプラント周囲炎と呼ばれ、手術中に感染するケース、セルフケアが不十分で起こるケース、血糖値のコントロールが上手くいかず起こるケース(糖尿病患者)などが考えられます。
早々に感染が起こった場合は治療から数週間で抜け落ちてしまうことも有りえます。そうならないためにも、いつもと違うと感じたらすぐ病院で見てもらうべきです。
良いインプラントを見極めるには
治療前に抑えるポイント
インプラント治療の前には顎の骨の厚みや血管・神経の位置を確認するために歯科用CTスキャンを必ず受け、手術が可能かどうか、どのようにインプラントを埋め込むか、という計画を立てます。そのためには以下のポイントが大切になってくるでしょう。
- CTスキャンが高性能・高画質
- 手術の事前シミュレーションができるかどうか
- (わかれば)インプラント治療計画作成に使われるソフトのバージョンや質
また、インプラントは自由診療のため利益優先で考える医師・病院もあるようです。そういった医院は患者を囲い込み確実に契約を取ろうとしてくるでしょう。その際に重要になってくるのは次のポイントです。
- 患者の意思がきちんと通るか
- 手術のリスクや副作用の話を包み隠さず説明してくれるか
手術時のポイント
いざ手術が始まってしまったら医師の技量に全てを委ねるしか無いのですが、事前にチェックすることでインプラントの失敗を防げるポイントもあります。
- 手術室内・使われる器具の衛生面はどうか
- 症例数はどのくらいあるか
- 術中CTなどを用いて埋入位置の確認をしてくれるか
アフターケアのポイント
インプラントを入れたらそれで終了、と突き放す医師はもってのほか。丁寧なアフターケアを定期的に行うことで、インプラント周囲炎からの抜け落ちを予防できます。
- 定期的なクリーニング・メンテナンスを実施している
- 正しい歯磨きの方法を指導してくれる
医師がどれだけ手を尽くして抜かりのない治療を施しても、その後のケア次第ではいくらでも失敗症例になりうるのがインプラントです。インプラントを入れたからそれで終わり、ではなく残りの歯を守るためのオーラルケアが大切である、ということを失敗例を通じて学んでおくべきでしょう。